時を束ねて リボンをかけて

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直葬という選択。


99歳の女性の長女のご主人が亡くなった時、直葬だった。
亡くなった翌日、火葬場に運んで荼毘にした。
直葬でも、葬祭場が間に入れば、滞りなく済ませることができる。
火葬場に出席したのは、妹たち2人と私の知人の弟。
そして東京に住んでいるお姉さんの息子夫婦とその子供2人。
僧侶も呼ばず、戒名もなし。
位牌は俗名。
息子も、それでいいと言って、誰からの反対もなかった。

荼毘の時に、その前には台があって、写真や位牌やそして花瓶に入った花が置かれる。
葬祭場の人に、その花をどうするかと聞かれて、値段を聞くと8000円。
お姉さんは即決却下。
花はスーパーで買って、花瓶は家から持ってくればいいということ。

弟が、荼毘の間時間がかかるからお膳を頼んだ方がいいといって、お姉さんが葬祭場の人に聞くと、1人1万円。
即決却下。(笑)
スーパーで寿司を買ってくればいいということ。
で、弟が寿司やらお菓子やら飲み物を買ってきて、〆て6千いくらか。
どうせ身内だけだからそれでいいのだ。


このお姉さんをケチだというのは簡単だけれど、そういう話を知人は私に愚痴ったのではなく、笑いながら話したのだ。
私も笑った。
笑ったけれど、私が逝った時も直葬だし戒名もいらないし、話を聞いてよかったよと言った。
シンプルで私向きだと言った。
知人も、俺の時もこれで行くという話をした。


直葬にすることを近所の人達に伝えたら、お棺に入れてほしいとそれぞれ花を持ち寄ってくれたそうだ。
お棺が花であふれた。
一人だけ葬式も上げないなんて~と言ってきた人がいたらしいが、そんなことは意に介さない。
自分の時もこれでいいと揺るがない。
さすが、母親譲りで芯が強い。



お姉さんは、市の霊園募集に応募し、当選して墓地を持っていた。
しかし納骨の時に頼む僧侶がいない。
それで、墓石を建てた時の石屋さんに紹介してもらった。
四十九日の時が納骨の日。
その日は雨だった。
お寺に来てほしいと僧侶に言われて、出向いた。
四十九日の法要を形ばかりに行い、その後、僧侶が「納骨は別の日にしましょう」と言った。
そして「これねえ。(自分の着ている法衣をつまんで)雨降るとクリーニング代が高くて大変だから」と言った(笑)
仏に仕える身なんていっても、かなりの俗物ぶりで、私は聞いた時大笑いしてしまった。




酒乱で暴力をふるう夫だったらしいが、ヘルパーが嫌だと言って、最後までお姉さんが世話をした。
99歳の母親は夫の女癖に悩まされ、娘は夫の暴力に耐えてきて、夫に先立たれた二人は、会えばそれぞれの夫の文句を言いあっているそうだ。
それを呆れて笑いながら弟は聞いている。


それでもお姉さんは月命日には必ずお墓詣りをしているそうだ。
長い夫婦の生活には憎んだ日々もあっだろうが、それにも勝る情があるのかもしれない。
夫婦のことはその夫婦にしかわからないことが多い。
夫のいない私には、それを知ることはできない。



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