時を束ねて リボンをかけて

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自分の常識が他人の常識とは限らない。その逆もまた同じ。

隣家の足場は外れてないが、工事は終わったみたいだ。
やれやれである。
2階の私の部屋と隣の猫部屋は隣家に向かって窓がある。
隣家に窓がないから安心していたが、足場を組まれると職人さんたちからこちらは丸見えになる。
レースのカーテンだけでは安心できないので、工事中は隣家側の窓は念のため遮光カーテンを引いていた。


職人が足場の上から私の家の庭に何かを落としてしまい、取ってきてと言っていた。
一人だけ年配の女性がいたのだ。
その女性は職人ではなく、手伝い、あるいは助手だと思う。
その女性に向かって、「かのじょ~」あるいは「おねえさ~ん」と呼びかけていて、なんだこのオヤジ連中はと思った。
苗字で呼べばいいだろうよ。
飲み屋じゃないんだからさあ。
私なら、名前で呼んでください!とキッパリ言うけれどなあ・・・と思った。

その人が、私の家の庭に無断で入ることをためらっている。
これは当たり前でしょ。
そして、その会話でその女性が発音から日本人ではないと、気が付いた。
中国人?
いくら隣でも無断で人の家の庭に入ることをためらうほうが、このオヤジ連中よりもはるかにまっとうな感覚だ。
そして、こっそり覗くとその女性は、庭の草花を踏まないようにと慎重に、その職人たちのいうことを聞いていた。
出て行って踏んでも構わないよと言おうかと思ったが、聞き耳を立てていると思われるのも嫌だから、好きなようにさせた。
別に聞き耳を立てなくても、声が大きいから聞こえる。

そして、職人たちが帰った後、夕方郵便ポストを見ると、メモが入っていた。
「すいません
おとなりの〇〇さん家の工事で庭入らせていただきます。」


次の日、やっと会社の担当者と思われる若い男性と、私が出かけるときに外で出くわした。
「すみません。ご迷惑をおかけして。メモが入っていたと思うのですが、庭に入らせてもらって・・・」
相手の言葉を遮り、「メモは読みました」とだけ言った。
今までの私だったら、
「あなたが責任者なら工事が始まる前に、きちんとそういう断りの挨拶に来るべきですよ。」くらいのことは平気で言えたんだけれど、あの女性に免じて言葉を飲み込んだ。
私もアホな男連中と仕事をしてきたから、あの女性の苦労はわかるような気がする。




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