時を束ねて リボンをかけて

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読書家ではないけれど。

読んだ本とか、観た映画やDVDの感想はブログにUPしないことにしたのだが、この本はちょっと書きたいことがあったので取り上げた。

「ホームレス歌人のいた冬」
三山 喬 著
2011年初版。

SN3U0007 (1)


図書館で見つけて、ぱらぱらとめくって、ところどころ読んだ時は、読んだ場所が悪かったのか、とても嫌な気分になった。
それでも借りたのは「歌人」という言葉に弱いから。(笑)

私も短歌を詠んでいた時がある。
一時期夢中になった。
誰かの師事を受けたこともないし、あくまでも自己流で基本すら知らないで詠んでいたので、すぐに自分の才能に見切りをつけた。
要するに飽きっぽいというだけだけど。
今でも時々作るが、DMの封筒の裏とか、近くにあった、なんてことない紙に書き込んで、それで満足して後で捨ててしまう。
その程度の歌しか詠んでいない。


この本は2008年の暮れから朝日新聞「歌壇」の読者の投稿の欄に、住所表示、ホームレスと名乗って登場した公田耕一という人を捜し続けた本だ。
ホームレスということで、当時かなり騒がれたらしいが、私が短歌に興味を持ったのはそのあとだし、朝日新聞は読まないので、まったくこの人のことは、この本を読むまで知らなかった。
彗星のごとく現れて、入選を重ね、そして9か月後その歌壇欄から消えた。
私がぱらぱらと読んで嫌だなと最初に思ったのは、この人の住んでいるであろうドヤ街に、出版社がこの人の本を出すからと呼びかけのビラを貼ったりしたことに、不快感を持ったからだ。
この著者にも同じ思いを持った。
公田耕一と名乗っている人のその後を探索する本であるから、どうして、そっとしておいてやらないのかと、私は思ったのだ。
世の中には、有名になりたいとか、一発当てたいとか(笑)そういう人はたくさんいると思う。
しかし、それと同じようにひっそりと生きて、ひっそりと死んでいきたいと思う人もいるのだ。
この公田耕一という人が、後者だと決めつけているわけではないが、そういう呼びかけに応じないのであれば、それはもう、そっとしておくべきだと私は思う。

読んでいる途中で、これはたぶん捜すことはできないだろうと思った。
そして、捜せなかった。
この著者の、ホームレス歌人が投稿歌壇から消えた後の仮定は所詮想像でしかないが、納得できるものだったし、本は最初の印象が悪かったわりには面白かった。
登場人物も多彩だし、そこに出てくる短歌も心打つものが多い。
この投稿歌人が、今も短歌は詠んでいると思うし、そう願っている。


私の住んでいる町の図書館はとにかく古い本が多いが、新刊だけがいいというわけではないのだから、図書館通いはやめない。
だけど、読みたいと思う本が探せないのは、困った。




最近私が詠んだ短歌。
(短歌もどきです。笑)

猫抱きて 見知らぬ町に 移り住み 初めて冬の 風の音(ね)を聞く

一人居の 物なき部屋の 窓際で 猫毛のような 秋時雨見ゆ




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